06.REMARKABLE POWER
冬獅郎が の部屋へ戻ってみると 襖が開け放たれ りりん、蔵人、之芭が はじき飛ばされたように横たわっていた。
「おい、どうした?なにが あった?!」
応えは 期待できそうになかった。
「くそっ!」
かすかに感じるの霊圧を 追って、裏口から外へ出た冬獅郎は 見知らぬ男と出くわした。
「貴様っ、ココで何を―――――? !!」
「あ、いや、別に怪しいモンとちゃうで、
ふつーの男子高校生で、平子真子いうねんけど、その・・・・友達を連れて帰ろう思て。」
あわてて弁解する真子が抱きかかえていたのは 気を失っている様子のだった。
「その手を離せ。」
冬獅郎は 斬魄刀に手をかけ、抜刀に備える。
「ホンマ、友達がエライお世話になってしもて、すンません。 ほかの皆さんにも よろしゅう言うといてな。」
真子は、冬獅郎の意向を無視して言うだけ言うと、シュンっと消えた。
が、冬獅郎が真子の行動を予想し、駿歩で先回りしていたので 中空で再びの対峙となった。
「貴様、何者だ?」
「だーかーらぁ、Chanの友達や言うてるやろ? 自分、聞いてへんかったん?」
「 下手な言い逃れはやめろ。」
「あ〜もう、面倒くさいなぁ・・・・。せやから、Chanは オレら”仮面の軍勢”側の 人間やねん。
この子の霊圧、ものごっつう不安定やから 見つけにくかっただけで、あんたらより先に目ぇつけててんで。 」
「”仮面の軍勢”? 子供向きの特撮か 何かか?」
「あほぉっ、ちゃうわっ!
とにかく、今まで世話になった礼は言うから、Chanは オレんとこにもらうで。
そやないと―――――ぅわぁっ!!」
「 市丸?!」
「あかん〜、はずしてしもた。」
「 は、”はずした”って、なんやねんいきなりっ? Chanにあたったら どないしてくれるねんっ?!」
真子は、突如現れて切りかかった市丸の斬魄刀を かろうじて かわすと、冬獅郎に訴えた。
「ほらな、あんたら死神側におったら ややこしい目に遭うやろ?」
浦原商店界隈上空は 市丸が加わって 三竦みとなり 緊迫した睨み合いになった。
が、その状況下で市丸が ふっと肩の力を抜き 微笑む。
「 はじめまして〜、ボク”市丸 ギン”いいますぅ。 で、その子がちゃん?」
「あぁ、はじめまして。 オレは”平子真子”や。 Chanの ”初恋の相手”やねん。」
「 ”初対面”の間違いやろ? ウソ言うたらあかんわ。」
「ちゃう、ちゃう、ホンマやって。オレら 生まれる前から堅く約束した仲やねんって。 」
「 それ 全然 笑えへんわ。
――――そやけど、ホンマ、聞いてたより かわいい子やなぁ。
迎えに来て正解や。」
市丸が細い目をより細める。
「せやろ、かわいいやろ? オレの”フィアンセ”やから 手ぇ出すなや。」
真子は 隙を見て立ち去ろうと後ずさったが 市丸にすかさず背後にまわられた。
「 ええ加減 ウソつくんやめとき。
さっきは 初恋やとか言うとったやろ?
だいたい 何で 気ぃ失ってるんか説明してもらえへんかな?」
「それはやな、オレに会えた感激で―――――」
「日番谷さん――――」
「浦原?!」
テンポよく交わされる関西弁の応酬にのまれて 置いてきぼりをくった形の冬獅郎を 浦原が 二人から少し遠ざけて耳打ちした。
「すみません、うっかり逃げられちゃいました。
で、ものは相談ですけど、あの二人めがけて ”氷輪丸・始解”を 奔らせてもらえませんかね?」
「 もろとも切れというのか!?」
「違いまス。
氷輪丸を奔らせることで氷のかけらを飛び散らせて さんの目を覚ましてもらうのが目的っスよ。
市丸さんが動く前に お早くお願いしまス。」
一刻を争うのなら あれこれ吟味するより素早く行動にうつるほうが得策と見た冬獅郎は、己の斬魄刀を抜き放った。
「 霜天に座せ!! 氷輪丸! 」
氷の龍が 天を駆け、吼えた。
「うわぁっっとっと!」 「ふっ!」
真子と市丸が 飛び退って離れた。
「なんやねんな! 危ないやろっ!」 「・・・っ、・・・・ん・・・」
叫ぶ真子の腕の中で が 身じろぎした。
「あかんっ。」
に気をとられた真子に 冬獅郎が再度 龍を躍らせる。
一方、市丸は 浦原に捕まっていた。
「 今度は逃げずに きっちり お相手願いませんかね? 」
「 男の相手は 遠慮させてもらうわ。」
浦原の流れるような太刀さばきを ひょいひょいとかわしていた市丸だったが 次の瞬間、冬獅郎と向き合っていた真子を背後から突いた。
「はぁあぅっっ!」
貫いた真子の肩から 斬魄刀を抜くと同時に その腕からを 奪い取る。
計算しつくされたムダのない 瞬く間の出来事だった。
「 やぁっと 手に入ったわ。」
市丸は の首筋に斬魄刀をあてて 冬獅郎と浦原、真子を威嚇し 勝ち誇ったように口角をあげる。
「 それでは皆さん ご機嫌よろしゅうに。」
三人は を人質に捕られたのでは 動けない。
揚々と引き上げようとした市丸を引き止めたのは、その手の内に捕らえた獲物だった。
「 ――――あなた・・・・だれ?」
「 ”市丸”言うねん。 これから 仲良うしたってな。 」
「 いちまる? あなたも死神? 」
「 惜しいなぁ、ちょっと ちゃうねんなぁ。 詳しい自己紹介とか説明は 虚圏行ってからにしよ。」
「ウェコムンド・・・? あたしを そこへ? 」
「 そうや。ほな、行こか。 」
「――――――いや」
「 ?! 」
「 放してっ! 」
の両の手が熱を発したかと思うと 凄まじい熱波が生じて市丸を襲い、その衝撃で市丸はから 引き離された。
「 っ。」
自由と引き換えに落下し始めたを 冬獅郎が抱きとめた。
「―――――な、なに? なんで・・・・・?」
今、起きた現実が受け入れられないは、冬獅郎の腕の中で 放心状態にあった。
彼方に はじき飛ばされた市丸は 軽度の火傷を負ってしまったようだったが くっくと 不敵な笑みを浮かべた。
「 来た甲斐あったわ。 」
そう言い残すと ”黒腔”を開いて 消えた。
一部始終、見届けた真子の額には冷や汗が 滲んでいた。
「 あかん、あかん、やばいって。 出直しや。」
血の止まらぬ肩を押さえて 真子もまた姿を消した。
冬獅郎に抱かれたまま 呆然とするのもとに 浦原が歩み来て 声をかけた。
「 さん、納得していただけましたっスね?
こういうわけで あなた お返しできないんスよ。」
目覚める?
07.THE STUDY ROOM
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