CONSTANT CHANGE〜生々流転〜


 

 05. A PRISONER    














飛び込んできたのは、ヌイグルミモードの ”りりん、蔵人、乃芭”の 三人組だった。



「ちょっと、ちょっと、たいへんなのぉ!!」

「そうなのであります。何やら、怪しげな男が、『に、会わせろ』と言って――――」

「わかった。」



冬獅郎が 立ち上がり 表へ 向かった。



「あなたたちは、ココで さんを ”護衛”しててくれませんか?」

「任せといて!」

「このわたくしめの 命に代えましても さんは、お守りいたしますですよ。」

「・・・・・・・・・・・・心配ない。」


浦原も 冬獅郎の後に続いて出て行ったので、部屋には、と ヌイグルミモード三人組だけになった。 








―――――この子たちって、何?ICチップでも 入ってるの?




には、ただの”ぬいぐるみ”にしか見えないので 自在に動いて喋るのが 不思議だった。

普通に考えれば、”ぬいぐるみ”が 見張っているからといって おとなしく 言いつけを 守るのは3歳くらいまでか?
幼稚園児にもなれば あれこれ 理由をつけて いうことを 聞かなくなるものだ。




―――――わけわかんないことばっか。




は、三人組を無視して 立ち上がり、襖に手をかけた。



「だめよ!今、外に出たら 大変なのよっ。」

「左様ですぞ。ヴァイザードや アランカルなどという 連中が うようよ湧いて出てきておりまして なにやら ややこし〜い事態に なっておるのです、はい。

そこへ、バウントの生き残りかもしれないさんが――――ふがふが」「あんた、ちょっと 喋りすぎなのよ!」



ぺらぺら まくしたてる蔵人の口を りりんが 押さえ込んだ。



「蔵人の 言ったことは気にするな。こう見えても 俺たちは 結構強い。」
「そうよ、乃芭の言うとおり 私たちって すっごく 強いんだから。ココに居れば 心配ないわ。の事、ちゃんと 守ってあげるから。」




そんな風に ”ぬいぐるみ”に 説得されて 納得するのは いくつ までだろう。
健全な中高生なら にわかに 信じられないのが 大半だろう。
加えて は 逃げ出すチャンスを 狙っている。
当然 無視して襖を開けようと 力を入れる。

が、まるで 鍵がかかったように 開かない。



見ると蔵人と乃芭が 襖を両脇で 押さえて、りりんが 浴衣の裾にすがっていた。



、ダメだっていってるでしょ!」「この部屋から出ては なりませんです。」



いくら力を入れても 襖は ビクともしない。

は、認めざるを得なくなった。
この3人が どういう存在であれ、自分の自由を 阻止する障壁であると。



の心に火がついた。



自分の道を 遮るモノであれば、全力で 突破する。
























一方、浦原商店の店先では 茜に染まりゆく空の下 緊迫した空気に包まれていた。


「いややなぁ、そんな怖い顔せんでもええやん。ボクは ただ ちゃんに 逢わせてもらいたいだけやのに。」


その男は、細い目を 更に細めて 口角をあげる。


「き、今日は もう 店仕舞いだから、帰れっ!」


ジン太が 愛用のバットを 握り締め、ウルルもまた 竹箒で構える。
テッサイが 諸用で 出ているので、浦原が 出て来るまで 自分たちで 立ち向かう覚悟だった。


「はぁ〜、愛想悪い店員やなぁ。ここの店長は、どんな教育――――て、言うか 自分ら未成年やろ?働いていいん?」
「市丸っ!!」


浦原商店の奥の間から 走り出てきた冬獅郎は、我と我が目を 疑った。

招かれざる客は、もと”護廷十三隊三番隊隊長・市丸ギン”だった。


「なんや また 小さい丁稚はんが 出てきよった思たら、十番隊隊長殿やないですか。
相変わらず 不景気そうな顔しはって・・・こんなトコで 何したはるん?」


冬獅郎の奥歯が ギリッと 軋み、眉間の皴が 深くなる。
ジン太とウルルは、急激に上昇する霊圧に あてられ、よろめきながら 脇へ退いた。


「――――てンめぇ・・・・許さねぇ・・・・」


氷輪丸に 手をかけ ゆっくりと引き抜く。


「あーあ、あかんあかん。そないに 熱うなったら お友達が具合悪うなってしまうで。」


表情を変えない市丸とは 対照的に 冬獅郎の怒りは 抑えようがなく、今まさに踏みだそうとした時 抗いようの無い強い力に引き止められた。


「だめっすよ、あんな あからさまな挑発に 乗っちゃあ。」

「浦原?!」

「そのまま、直情的に突っ込めば 太刀筋が 見え見えで かすりもしませんよ。」

「・・・っ。し、しかし、奴は」

「ばっさり、切られたいんすか?」





冬獅郎に かつて 禁踏区域で 血塗られた中央四十六室を 目にした後の 拭いがたい屈辱が 生々しく甦った。





―――――俺は・・・・全く 成長してねぇ・・・・









「どうかしはったんですか?十番隊隊長どの?」



市丸が 冷たい笑みを 浮かべた。


「すみませんねぇ、今、立て込んでるんで お引取り願えませんスか?」

「これはこれは、前十二番隊隊長及び技術開発局初代局長やないですか。ボク、ちょっと お願いがあるんですよ。ちゃんに 会わせて欲しいんですけどね。」



穏やかなやり取りとは似つかぬ鋭い眼光が 互いを 射る。


「市丸っ、貴様 何故 その名を知っている?!」  「日番谷さん!」



冬獅郎の軽はずみな問いを 浦原は 市丸から 目をはなさずに たしなめたが 遅かった。



「ふーん、やっぱり ココに居るんや。」



市丸が 薄目を開けて あざ笑った。




「――――日番谷さん、ココは アタシに任せて、あなた さんの様子を 見てきてくれませんか?」



浦原は 市丸を見据えたまま 冬獅郎に 告げる。


「今のあなた、足手まといなんすよ。」


「浦原・・・・・・?」

「あの方と あなたの間に 何があったにせよ、純粋で真っ直ぐなあなたは 圧倒的に不利っす。」

「すまない・・・・」


冬獅郎の熱は 一気に冷めた。

 

「やだなー、こんなことくらいで 落ち込まないでくださいよ。アタシなんか、あなたの清々しさが 羨ましいんすから。」


「ほな、ボクここで失礼させてもらうわ。用があるんは ちゃんだけやから。」



すかさず 浦原が 市丸の目前に 移動する。



「まあ、そうつれないこと仰らずに もう暫らく アタシのお相手を お願いしますよ。」




「射殺せ『神鎗』」





市丸の口上とともに 彼の斬魄刀が解放され 瞬時に その刀身が 浦原を 襲った。
が、浦原は 飛び退った後だった。



「はぁ〜、びっくりしたじゃないっスか。」






おどけてみせる浦原の様子を見届けた冬獅郎は 彼の指示に従うことにし、のもとへ 向かった。





――――好きなヒトが絡むと 冷静さを失うなんて なんとも可愛らしい隊長さんだ。



浦原は 冬獅郎の背をちらっと見て 微笑ましく思い つい 笑顔を浮かべた。









ひょうひょうとして見えて 浦原に隙がないので 市丸は 動けない。






「さあ、お楽しみはこれからっすよ。」





浦原が 己が斬魄刀に 手をかけた。









「―――――啼け『紅姫』!」

















目覚める?  06.REMARKABLE POWER  





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