「やだっ!」あたしは 恋次を突き飛ばしていた。
恋次は、袋小路を出た辺りにまで吹っ飛んで 唖然としてあたしを見ている。
うっかり、”流転力”も 使ってしまったようだった。
「ごめん!恋次のコト、キライじゃないよ。どっちかって言うと スキだけど・・・・でもっ、・・・・そ、そおゆうのとは 違うからっ。」
その場に 恋次を残して走り去る。
―――――何、やってんだろ あたし。逃げてばっか。
今夜はもう 誰にも会いたくない
たった 一人を 除いて・・・・・
――――こんな時に 何処で 何してんだよ。
こんなトコに あたしを 連れてきたのは 君じゃないか。
責任取れよ。
「冬獅郎の ばか!」
「誰が、ばかだ。」
頭にコツンと 硬い物が 当たった。
ちょっと重い塊の入った現世のコンビニ袋と いつも通りの冬獅郎。
「あ・・・」
「ばかは、おめぇだろ?」
――――――ま、ね・・・。
「じっとしてろ。」
「え?」
次の瞬間、 身体が宙に舞うのを 感じ、気がつくと 両足をガッチリつかまれて 冬獅郎の肩に担がれていた。
「ちょっと、何これ?どういう――――」 「てめぇは、瞬歩 使えねぇだろ?」
そう言うと 冬獅郎は タンっと地面を蹴った。
―――――これ、この感じ・・・・前にも・・・・・
そうだ、あの時
初めて 君に出会った あの日。
―――――あの日も こんな風に、広くはないけど がっちりした肩に 担がれて・・・・・
居心地よくないし、まんま”人攫い”だし・・・・・
だけど
ホント言うと
イヤじゃなかった?
あの時、煮詰まってて
『消えちゃいたい』
って、思ってたから?
それとも――――
あの時
あの
初めて君を見た時から
君のこと―――――
目的の場所に 着いたらしく、冬獅郎が ストンと地面に 降り立って、私は瀞霊廷中心から離れた 見晴らしよく 少し小高くなった・・・丘(?)に 下ろされる。
「あのさ、連れてってくれるのは いいとして この”運び方”は ないんじゃない?せめて、”お姫さま抱っこ”とか してくれないかな?」
「―――――そんな、こっぱずかしいコトできるかよ。」
冬獅郎が 広々した草地へと歩き出したので 仕方なく後に続く。
「ねぇ、なんで―――――」 「見ろよ。」
上を向く冬獅郎につられて 天を仰いだ。
満天にちりばめられた星々
大きくゆったり流れる 天の川
そこから 息を呑むほど美しく降り注ぐ 星たちの光
その中で 一際 輝いて見える”牽牛星/わし座のアルタイル”と”織女星/琴座のベガ”
これほど 見事な星空を見たのは 生まれて初めてではないだろうか。
冬獅郎は、草地に寝転んだ。
その 彼の傍らに 腰をおろす。
「・・・・・・きれい・・・」
座って 上を向いてると、不意に上半身を 支えていた腕を 後ろに引っ張られて倒された。
冬獅郎と 枕を並べて 寝転んだ状態になる。
「ちょっとぉ!びっくりするじゃない?!」
怒って起き上がろうとすると、またも 冬獅郎がひっぱって、倒される。
「もうっ!なに?」
「こうした方が よく見えるって 言ってんだ。」
――――そんなコト、口に出して言ってないじゃん。
心でつっこみながら、諦めて寝転んでみる。
背中に柔らかい草の感触、少し湿った草と土の香り、目に映るのは 遠く輝く無数の宝石・・・・・
あたし自身が自然の一部に 溶け込んでしまったような錯覚さえ覚えて・・・・
「――――――・・・・」
冬獅郎の手が、あたしの手に 重ねられる。
たった それだけなのに、あたしは ドキドキしてしまう。
知ってか知らずか
冬獅郎の指が あたしの指を 弄ぶ。
――――やだ、
なんで?
なんで こんなコトで
動悸が激しくなるの?
こんなの
君にバレたら 恥ずかしいよ。
心は 拒もうとするのに 身体は すでに痺れて 動けない。
気が済んだのか、弄ぶのを止めたかと思うと 今度は、ぎゅっと 絡め獲られた。
それだって、今のあたしには 苦しくて・・・・
蕩けそうに 心地良い――――――
寝転んでる所為で 若干 冬獅郎の背が高く感じる。
その
細い肩に
頭を そっと
寄せてみる
応えるように、
冬獅郎の頭が 寄せられた。
冬獅郎 あたし、
君の事が好きみたい。
それも すっごくね。
もう
これ以上を 望むと バチが当りそうだよ。
年に一度、
チョコレート会社の陰謀にのせられて、本命だの、キープくんだの、義理だのって そわそわ奔走するでなく、
星空を見上げて 静かに ただ一人のヒトを想う。
こういうのも、悪くないなって 思った。
「ほらよ。」
あたしの頭にぶつけたコンビニ袋を差し出した。
「なに?」
「現世土産。」
中を見ると 氷の塊が入っている。
「こ、コレをあたしに どうしろと?」
「ああ・・・・貸せ。」
冬獅郎が 斬魄刀の柄で コツンっと 叩くと、氷が上手い具合に パカッと 二つに割れ、中から ”夏季限定ふりふりマンゴーサンデー”が 出てきた。
「一個だけ?」
「二個も三個も喰いたかったのか?」
「そうじゃなくって、冬獅郎の分は?」
「仕事で 行ってんだぞ。そう幾つも買えるかっ。みっともねぇ。」
―――――見た目小学生なんだから、全っ然 みっともなくなんてないじゃん。
「てめぇが、二言目には うわ言みてーに『アイス、食いてー』って、言うから――――」 「そ、そんな 食いしん坊、言ってない!!」
「んじゃ、要らねーんだなっ?」
あたしの手から、夏季限定特製アイスを 取り上げようとする。
「わ、ダメ!要る、要るよぉ。ください!!お願いっ♪」
冬獅郎が 勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
悔しいけど、背に腹は変えられない。
好きなモノは、好きだから。
次の日、あたしは 朝から乱菊さんの 愛情タックルを 受けることとなった。
「っ、昨夜は よかったわねー♪」
「え?」
「あら、とぼけなくても いいじゃない〜。隊長と二人っきりで、ちゃっかり ひとつの”モノ”を二人で分け合ってたじゃない?」
「ら、ら、乱菊さん!まさかー!!!?!」
「の代わりに、私が 短冊に二人の名前を書いて 笹に結んでおいたから、完璧よぉ☆」
あたしは 恥ずかしさに俯きながら 自分の顔が 過去最高記録に真っ赤になっていると 確信した。
そこへ、タイミング悪く 冬獅郎が 現れる。
「松本っ、朝っぱらから 何 はしゃいでんだ!」
「隊長〜、お教えしましょうかぁ?」
あー、バカ!
墓穴、掘っちゃったよ。
七夕企画(だったのか?)ので、柚羽にしては かなりがんばって 甘くしたつもりなんだけど・・・
一般レベルには ほど遠いか?
ご期待に沿えてなかったら、ごめんね。
感想など ありましたら、拍手か 別館に コメントくださいな♪
おっ気軽にぃ〜☆
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